徹底解説 空気呼吸器【ライフゼム】とは?|使い方 メンテ 点検 修理 価格帯

写真、図は、重松製作所カタログから抜粋




空気呼吸器とは?

空気呼吸器とは、圧縮された高圧空気容器(以下:空気ボンベ)の空気を減圧し、空気を 供給するものです。

メリット1

高圧ボンベの内部の空気を使用するため、酸欠、有害環境下においても、 安全な空気を呼吸に使用することが可能です。

メリット2

空気呼吸器に空気ボンベを取付け、空気呼吸器を背負った状態で、空気が 供給されるため、行動範囲に制限がありません。
(送気マスクは、空気を供給するコンプレッサー等の機械とホースで連結さ れているため、行動範囲に制限があります。)

デメリット

使用する空気ボンベの空気量により、使用時間が異なります。
空気ボンベの空気が無くなれば、空気の供給が絶たれます。
使用時間に制限があります。

空気呼吸器の種類

空気呼吸器の種類は、大きく分けてデマンド形、プレッシャーデマンド形の2種類があります。



防塵マスクの選定は、
  1. デマンド形
    デマンド形とは、顔に装着した面体から、息を吸った分の空気が供給されます。
    息を吸ったときは、面体の内部は面体の外よりも陰圧となります。
    そのため、面体と顔との間に隙間があれば、面体の外の空気が、面体の内部へ 侵入しやすくなります。
    面体と顔との間に隙間がなければ、侵入することはありません。
  2. プレッシャーデマンド形
  3. プレッシャーデマンド形とは、デマンド形とは異なり、息を吸ったときでも、面体 の内部は、外部よりも陽圧に保つようになっています。
    そのため、面体と顔との隙間があれば、面体の内部から外に空気が吹き出し、面体 の外の空気が内部へ侵入しにくい構造となっています。
    デマンド形よりも、より安全性が高い呼吸器といえます。


ライフゼムの使い方と装着方法

使い方

  1. 空気呼吸器に空気ボンベを取付けます。
  2. 空気呼吸器を背負い、脇、胸、腰にあるバンドを締め、空気ボンベのバルブを空け、圧力指示計を確認し、空気ボンベの圧力が十分にあるかを確認してください。
  3. 面体を顔に装着し、面体の締め紐を締め、呼吸をすると、空気が流れます。
  4. 使用後は、面体を外し、バンド類を緩め、空気呼吸器を身体からおろします。
  5. 内部に圧力が残っているため、バイパス弁にて、残圧を放出し、圧力指示計が0を指すことを確認してください。

注意点

空気使用後は、最寄りの充填所にて、空気ボンベの充填をし、満充填された容器を、空気呼吸器に装着し、保管をしておきます。いざ使用する際に、満充填の空気をすぐ 使用することができます。

※使用方法、保管方法、注意点についての詳細は、取扱説明書を読み、正しい使用をしてください。

空気呼吸器の使用時間は?

使用時間は、使用する空気ボンベの空気量によって異なります。 一般的には、
  • 4リットル容器 14.7Mpa充填 (材質:鋼製ボンベのみ)→約15分
  • 6リットル容器 14.7Mpa充填 (材質:鋼製ボンベのみ)→約20分
  • 8リットル容器 14.7Mpa充填 (材質:鋼製8リットル、カーボン繊維製ボンベ8.4リットルの両方)→約30分
  • 4.7リットル容器 29.4Mpa充填(材質:カーボン繊維製のみ)→約30分
  • 6.8リットル容器 29.4Mpa充填(材質:カーボン繊維製のみ)→約45分
※【注意】上記の使用時間は、毎分40リットル使用したときの、使用時間です。空気使用量が多くなれば、使用時間も短くなります。
材質は、鋼製とカーボン製があります。容器の重さは、鋼製の方が重く、カーボン製のほうが軽量です。


ライフゼム商品ラインナップ



   重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム A1-12    


重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム A1-12
自動陽圧切替型
・プレッシャデマンド型(面体内圧力が常に環境圧力より陽圧に保持)
・腰パット上下スライド、回転します
・お客様の作業環境をお聞きし、御見積いたします


   くわしくはこちら   
   重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム Z30  

重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム Z30
自動陽圧切替型 ・プレッシャデマンド型(面体内圧力が常に環境圧力より陽圧に保持)
・お客様の作業環境をお聞きし、御見積いたします


   くわしくはこちら   

   重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム NM30    


重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム NM30
・自動陽圧切替型 ・プレッシャデマンド型(面体内圧力が常に環境圧力より陽圧に保持)
・吸気管タイプなので、首が楽にうごかせます
・お客様の作業環境をお聞きし、御見積いたします


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   重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム K30  

重松製作所 空気呼吸器 ライフゼム K30
手動陽圧切替型 ・プレッシャデマンド型(面体内圧力が常に環境圧力より陽圧に保持)
・吸気管タイプなので、首を楽に動かせます
・陽圧切替レバーによるON/OFFで、陽圧、陰圧の切替可能
・お客様の作業環境をお聞きし、御見積いたします

(陰圧、陽圧手動切り替えタイプ)
 ※A1-12、Z30、M30は、面体を装着し、呼吸をすると自動で陽圧になりますが、
  K30は、調整器部にレバーがついており、手動で陰圧から陽圧に切り替える呼吸器と
  なります。


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ライフゼム比較表

品名 A1-12
Z30
M30
K30
陽圧/陰圧 プレッシャデマンド型
陽圧切替方法 自動切換 手動切替
調整器の位置 装着時、面体の口元部 装着時、左胸部
背負具の材質 合成樹脂 ステンレス ステンレス、鋼製の選択可能
背負具の特徴 上下スライド
腰ベルト回転
重量 4.2kg 3.5kg 4.1kg 4.6kg(背負具:鋼製時)
価格
※ケース付き
ボンベなし金額
約34万円 約29万円 約24万円 約22万円
特徴
・背負具ACTハーネスは、人間の身体に沿う形状に設計されており、身体との一体化を実現。
・口元にある調整器まで、中厚ホースで空気を供給。
・呼気弁の位置により、凍結しにくい構造。
・軽量 ・呼気・吸気抵抗を低減し、呼吸が楽。
・口元にある調整器まで、中厚ホースで空気を供給。
・吸気管タイプなので、首が楽に動かせる。
・吸気管を握って、面体の密着テストが行える。
・吸気管タイプなので、首が楽に動かせる。
・吸気管を握って、面体の密着テストが行える。
・陽圧切替レバー、ON/OFFで、プレッシャデマンド、デマンド形に切替可能。

ライフゼム、空気呼吸器の修理・点検について

① 空気呼吸器の点検について

空気呼吸器は、使用前の日常点検のほか、作業主任者が3か月に1回の定期点検を行わなければいけません。
各機種の点検・整備要領は、重松製作所の動画をご覧ください。

A1-12

Z30

M30

K30



②高圧空気容器(ボンベ)の点検について

高圧空気容器(ボンベ)に関しましては、高圧ガス保安法により、耐圧検査を受ける ことが義務付けられています。耐圧検査の有効期限内であるかを確認し、期限を過ぎている場合は、検査所にて耐圧検査を受けてください。

耐圧検査期限

鋼製ボンベ:5年に1回の耐圧検査が必要

1989年3月以前の製造容器については、3年に1回)
※鋼製容器は、検査を受け不合格でなければ、使用可能。
※この期限は、空気呼吸器で使用する一般継目なし容器の期間です。

一般複合容器:3年に1回の耐圧検査が必要。

※一般複合容器とは、鋼製容器とは違い、FRP、カーボン容器のことです。
※一般複合容器は、製造から15年経過した容器は、使用不可となり、速やかにくず化し、新規更新をしなければいけません。

③ 修理について

日常点検、定期点検にて異常が見られた場合は、使用を止め、メーカー又は、当社にご連絡ください。
なお、製造後15年を経過した空気呼吸器に関しましては、修理不可のため、新規更新のご案内をさせていただきます

点検と修理について詳しくはこちら


空気呼吸器 Q&A

法空気呼吸器本体は、当サイトの文章「空気呼吸器の種類」にも記載しました通り
プレッシャーデマンド形を選定した方が、より安全に使用できます。
A1-12、Z30、M30が、使用方法も簡単であり、より安全に使用可能ですので、おすすめします。

空気呼吸器用のボンベの中身は、圧縮された空気です。
ボンベによって異なりますが、14.7Mpa又は29.4Mpaの圧力で充填します。
高圧になりますので、近隣のガス業者に依頼していただければ、充填可能です。

鋼製容器の場合は、耐圧検査所において、3年又は5年に1回 耐圧検査を実施し合格すれば、使用可能です。
複合容器(カーボン製)の容器は、製造後15年間しか使用できません。
15年経過した場合は、すみやかにくず化処理をしてください。
くず化処理の場合は、もよりのガス業者にご相談してください。

   ※複合容器(カーボン製)容器の巻き込みラベルの見方

①容器番号
②容器検査合格年月日(製造された年月)
(例)8-14  2014年8月 と逆から読み取ります。
③容器検査合格表示
④所有者登録番号 
高圧ガス保安協会にて登録されている容器所有者番号です。
この番号で、容器の所有者がわかります。

使用期限はありませんが、メーカーの見解では、15年経過した空気呼吸器については、部品劣化による不具合が発生し、
いつ故障が発生してもおかしくない状態が内存しているとのことから、
15年経過した呼吸器の修理については、非対応となっております。
以上のことから、15年経過した空気呼吸器の更新をお願い致します。

面体、面体しめひも、背負い具の各部の交換が可能です。

面体
面体本体のゴム部に亀裂が生じた場合、または、アイピース(透明な部分)に傷が生じた場合は、面体を購入し、取り替えが可能。

面体のしめひも
面体の締め付けを調節するしめひもに、亀裂が生じた場合、面体しめひもを購入し取り替えが可能。

   背負い具
左右の肩バンド、左右脇バンド、腰パット、腰バンドにほつれ、破れ等が生じた場合
該当箇所の部品を購入し、取り替えが可能。





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